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No.021    高橋洋服店 / Bespoke Suits

No.021 高橋洋服店 / Bespoke Suits

都内の老舗テーラーでスーツを誂える。

 

 

高橋洋服店。創業1903年、銀座で一番古い注文洋服店だそう。このタイミングの紹介にして、実は初のオーダースーツの誂えはこの一着である。

 

 

十分な薀蓄や感性の持ち合わせもなかった時代(勿論現在でも同様なのだが)。初めて訪ねた時の緊張感や、たくさんのバンチとにらめっこしながら、1時間弱悩みに耽っていささかビギナーズ感は満載だっただろう。

 

 

ただ、あくまで自己の主義主張は控えめに、老舗テーラーとして名を馳せてきた、その含蓄のある提案に身を委ねた。飴色の釦も高級感を醸し出している。

 

 

グレーとブラウンの中間色のような色合いに、うっすらとボルドーが入ったグレンチェック柄。昔の感性ならもう少し派手なものを選んだ気もするのだが、我ながら良いセンスであったと邂逅。

 

 

生地はイタリアのCACCIOPPOLI(カチョッポリ)。ナポリのマーチャントとのことだが、生地の厚みやコシの強さが絶妙で、草臥れない良い塩梅。

 

 

裏地のシックなブラウン。滑らかな造作。

 

裏地のもう一方。3ピースであるからこその豊かな表現力。ストライプの主張具合も素晴らしい。

 

 

今振り返ると、本切羽にしなかったのだけが心残りか。それでも全体のバランス感、ゆとりあるデザイン。スーツもさることながら、人生最初のオーダースーツを快く愉しめた体験でした。

No.020    BROOKS BROTHERS / NAVY BLAZER

No.020 BROOKS BROTHERS / NAVY BLAZER

 

幼少の頃から、「一番(またの名を一等賞とも言う)」とはおおよそ縁が遠い人生を送ってきただけに、金色(ゴールド:一番の象徴)には変わらない一種の憧憬はあるものの、実際には2番手以下で甘んじること多く、それは服のチョイスにもよく反映されている。

 

 

そう、このブルックスブラザーズのブレザーを購入するきっかけは、社会人になって初めてまともな賞与を得た時だったと今更逡巡している。ただ、どうも紺ブレの主役と言わんばかりの金ボタンが、私の感性を揺さぶるには足り得なかったあの時、この燻したようなボタンが目に入ってきてや否や、他店舗のブレザーと比較する本来の用心深い性格はどこへやら、ほぼ即座にこのブレザーに決めていた。

 

 

今でもこのボタンのスペアは大事に保管している。この生地を書くために公式HPを見たが、同じモデルを見つけ出すことがとうとうできなかった。あの時の自分の決断を褒めておきたい。

 

幾数年、このブレザーと共にビジネスパーソンの日々を送ってきたことで、若干の貫禄を増すことになった。もちろん、私のことでなく、このブレザーのことである。購入当時には知らなかった服飾に関する知識を総動員しても、このブレザーのバランス間隔、屹立とした佇まいは今でも美しいと感じることができる。

 

 

生地はSAXXONウールを使用。打ち込みが強く程よい厚さで、それこそ初夏になると敬遠するものの、用途の幅広さは折り紙付き。

 

 

今年でBrooks Brothersは200周年。都合よくこの記事も20本目。ボタンダウンシャツ、レップタイ、チェスターコート。。。彼らが作り出す全てのこれらアイテムにお世話になって、一応ビジネスパーソンとして生きながらえてきました。

 

 

こう遠目で見ると歴戦感は否めず。それでも修繕して使い続けたい一品。

 

 

この佇まい、完全にモノにするまでにはまだまだ掛かりそうですが、それでも着るたびに新鮮さと、懐古的な感情を抱かせてくれるブルックスブラザーズのブレザー。疑いようなく素晴らしいワードローブの一つです。